お父さんは、頭突きを受けただけではありません。頭を噛まれもしたのです。帰ってきてから、ソファで休まれていましたが、本当に大変でした。
もっとも、へい君のほうは、何か虚脱状態!ぼ-っとした表情で戻ってきましたが、彼にとっては、お父さんの場合よりもっと深刻な・・・思いだったのかもしれません。
へい君は、どこに行くのか?わからない、何をするのか?わからないだろうからです。そして、いまわしいことに、車に乗ることに、恐怖を覚えているからです。
車が怖い?じつは、へい君は車が好きでした、お父さんのバイクに乗って、泊りがけでツーリングに行ったこともあるくらいでした。どこへでも、父さんや母さん、姉さんと出かけていました。
あるときから、それがすっかり怖いものになってしまいました。とてもつらいことが、あったからです。それもたぶん、何回も、何回も!そして、車に乗れなくなってしまったのです。
もしも、へい君が見えるのならば、そして、それらのつらい経験がなかったならば、あるいは、へい君が言葉を理解できるのならば・・・・ただ、虫歯を治療するために、病院へ行くのだとわかるのならば、なんでもないことだったでしょう。
へい君は、人につながることがとても苦手です。それがへい君の病気なのです。それに、目も見えません。でも、彼は、それでも精一杯表現しているのだと思います。限られた方法で、自分の感覚に湧き上がることを、意識に浮かぶことを、伝えようとしているのでしょう。
それが、わかればなあと思います。私も、私たちも、共通の肉体を持っている。共通の環境の中に住んでいるのですから。

0 件のコメント:
コメントを投稿